オペラ:”アルチーナ”(ヘンデル)東京室内歌劇場


今週から、新宿コマ劇場の隣、シアター・アップルでオペラ・アルチーナのリハーサルが始まった。(昨年一昨年と、イタリア、韓国、モロッコ公演を共にしたグループなのです!)

久し振りに来る歌舞伎町は、本当に…ビックリでした!!

…というのは、ホールにたどり着く前の、靖国通りから歌舞伎町に 入るや否や…突然、若い男や中年のおじさんが、僕の近くに来て、小声で「良いDVDありますよ…」。

最初、僕はなんだろうと思いつつ気にもとめずに歩いていた……次から次へと6人ほど言い寄ってきたか…??
はは〜〜〜ん、これはどうも、通りがかりの客にポルノを売りつけている男達のようだ。
ま、ま、待てよ…俺ってそんなに好きそうに見えるのかなあ……え〜〜っ!!
まっ、いいか。

僕はこの歌舞伎町では、学生時代ジャズクラブ「タロー」や、明け方まで営業しているジャズ喫茶「ポニー」によく通ったものだ。
又、新宿の紀伊国屋の近所にもジャズクラブがあって、夜な夜なジャムセッションがあり、徹夜覚悟でよく通ったものだ。

僕は同級生の加古隆君、先輩の森山威男さんと芸大の打楽器部屋でジャズの練習のあと、新宿歌舞伎町の「ポニー」へ行き、聴きたいレコードを何枚もリクエストし、一晩中ジャズ三昧…しこたま聴いたあと、明け方…ノコノコと芸大に行き、ぼ〜っとした頭で授業を受けたものだ。
そんなわけで、大学4年の頃は、フルート界の大御所、故・吉田雅夫先生のレッスンをことごとくすっぽかしてしまった。落第覚悟の僕はやりたい放題!
でも何と何と、吉田先生は僕に何も責めることなく僕は卒業させて頂き、卒業演奏までさせて頂きました。
余談ですが…吉田先生は芸術祭等で僕達が奏楽堂で演奏する「芸大カルテット・ジャズコンサート」等を隠れて聴いていらっしゃいました。(メンバーは加古隆君ピアノ、森山威男さんドラム、僕のアルト・サックス…ってな、そうそうたるメンバーだった。)
きっと、先生はバロック音楽に相通じる即興音楽としてのジャズというものに興味を持っていらしたのでしょう。
レッスンの時もよく、僕は先生にジャズの事を聞かれたのを覚えています。
僕が卒業する時に先生は「君はジャズやポップスの世界に進みなさい!!」…と言って下さいました。今考えると本当に感謝です!!(合掌・有難うございます。)

ところで、学生時代、僕をフルート科の人間と知っていたのは当時、一緒にオーケストラをやっていた同級生のメンバーくらいで、先輩、後輩達は僕をサックス科の人間と思っていたようだ。
そりゃ、そうですよ。だって、僕は芸大にサックスのケースらしき物しか持って行かないのですから…。(笑)

ホント!今になってみれば学生時代の楽しい思い出だ!

そうそう、新宿コマ劇場の地下には、確か「カーニバル」というライブがあって、テナーサックスの峰康介さん達と何回かセッションした記憶があるのですが、当時、ポルノを売りつけようとするようなおじさん達はいなかったなあ・・・

さあ、今週一杯、このシアターアップルで、オペラの仕事。
…なのだが、何とフルートの出番は一曲のみ…。

第一場はず〜〜っと休みで、第2場が始まったらアリア一曲のみ演奏…後はず〜〜〜〜っと座っている仕事なのです。こんな楽な仕事ってめったに無いですよ!!
普段、フルートは他の管楽器に比べて、音符も多けりゃ、曲数も多い…大変なのです。
たまにはこういう仕事もないとね…不公平ってもんです!!

でも、演奏しないで座り続けるのも、結構つらいっすよ!!
まるで飼い殺し状態…
オペラですから、見てれば飽きないのですが、僕らはオーケストラボックスにいますからねえ、舞台も字幕もよく見えないのです。トホホ・・・