最近とても人気のフルーティスト  ゲーリー・ショッカー氏のコンサートを聴く!!

プログラムは全曲ショッカーさん自身の作編曲でまとめられたコンサートだった。ムムム…これは凄いことだ!!

彼は実に楽しそうに自作曲をジョークたっぷりに演奏する人だった。まるで僕らがライブでジャズやブラジル音楽を楽しく演奏するのと全く同じ感覚で楽しく・楽しく聴けた。
おまけに一人でDUOをやってのけるんだから凄い!!つまり同時に左手でフルートを、右手でピアノを弾いて…(笑)
ことに日本のクラシックのコンサートでは、人の演奏を虫眼鏡で見ながら聴いている人が多いが、彼はそんな事には動じない。素敵だった!!

思えば、30年前、僕は初めての海外に渡り、ニースの講習会でアドリアンさんとランパルさんにレッスンを受けた時、現地の生徒さん達が演奏するクラシック音楽が彼らの話すフランス語にピッタリ一致しているのに愕然とした。
それ以来、僕はどうしても日本語の音楽に拘るようになった。つまり、日本人である僕が自然体で演奏できる自分らしい音楽に拘ったのだ。

それからというもの、クラシックの分野では日本人作曲の作品、ジャズでは日本語でも喋れる即興の世界に僕は没頭した。つまり、日本人のまま堂々と自分の音楽を世界に誇れる音楽を演奏したかった。
その結果、だんだん僕は自分の音楽の世界を即興(ジャズ)に求めるようになった。

長くなってしまったが、作曲家であるショッカーさんは、自分で楽しい曲を書き続け、その自作曲を演奏しているわけだから、これほど自分にあった音楽は無い。おまけに非常に聴きやすいし、ポップな音楽なので、その楽譜は売れるし、CDも売れる。しかも、他のフルーティストが好んで彼の曲を演奏してくれる。

20年ほど前、NYでお会いしたのだが、ロバート・ディックさんという特殊奏法で一世を風靡したしたフルーティストがおられる。この方も自分の語法を持ったフルーティストで、僕は大変尊敬している演奏家だ。ただ彼の演奏する自作曲は残念ながら一般の聴衆の方々には多少難解で難しかった。
ショッカーさんみたいな、オーディエンスを楽しませる…というタイプの作曲家兼演奏家は、今この時代に出るべくして出てきたといっていい。

ことに最近では女性優位のフルート界…男性の若いフルーティスト志望の諸君!!ショッカーさんに続け!!!