大学に入っても定期的にフルートの林りり子先生の所に通っていた僕は、同門の先輩に凄い方がいらっしゃる事を知りました。林先生曰く「私の弟子に貞夫……ってジャズプレイヤーがいるのよ。」エッ…………ビックリしましたねえ……
早速、帰国していた渡辺貞夫さんの音を聴きたくて当時、芸大生だった僕は東銀座にあった「ジャズギャラリー8エイト」と言うジャズクラブへ幾度となく通いました。
その頃、僕はチャーリー・パーカーなどと言うモダンジャズの創始者みたいな人は知らなかったし、コルトレーンに至っては全く知りませんでした。
貞夫先生はアルトサックスでテナーサックスのソニー・ロリンズみたいなイディオムで吹きまくるんですから、それはそれはビックリでした。当時、早速貞夫先生のバサノヴァやビックバンド・ニュー・ハードとのアルバムとを買って毎日きいておりました。
その後、僕は貞夫先生が教えるヤマハの教室でアレンジを教えてもらう事になります。
その後、チャーリー・マリアーノさんが参加する貞夫先生のクインテットのバンドも何回か聴きに行ってマリアーノさんのあまりの新鮮なアドリブのフレーズに感動しました。
早速マリアーノさんのアルバムを買いに行ったのですが、当時日本にマリアーノさんのリーダーアルバムが無くて、エルヴィン・ジョーンズの「ディア・ジョンC」マッコイ・タイナーの「ライブ・アットニューポート」等、サイドで演奏しているマリアーノさんの演奏は本当に十分堪能できるものでした。
貞夫先生がなんでマリアーノさんを日本に呼んでまで一緒に演奏していたか……なるほどと思いました。(そう言えばマリアーノさんは秋吉敏子さんの前のご主人です。)
50年経った現在、当時のマリアーノさんのリーダーアルバムも何枚か買う事が出来ました。
最近ではクラシック系のアルバムをリリースしたりしてますが新たな境地に達しています。