今日は久し振りのバレエ鑑賞ですぞ!!

昨年の暮れ、カミサンが「バレー観ない??」・・との問いに、暇だった僕は二つ返事で行く事にした。
出し物は「白鳥の湖」・・・チャイコフスキーの名作だ。しかも演ずるのは本場ロシアのバレエ団だ。

思いおこせば、僕とこの曲との初めての出会いは、僕が大学4年だったか・・当時(40年前)日本に存在したABC交響楽団のフルート奏者・大和田さんという先輩から「中川くん、トラ(エキストラの事)頼むよ。」・・と頼まれた。
学生の分際で楽器を吹いてお金になる仕事を頂くなんてそうそうあるもんじゃない・・・ありがたくお引き受けした。
でも、大和田さんの話をよくよく聞いたら、ナント・・当日ぶっつけ本番で、ピッコロパートを初見(初めての譜面を見てその場で演奏する事)で吹かされるとの事だった。

その当時芸大では1年2年生は音楽のアルバイトは禁止。ナント学校に知れたら退学が待っていた時代だ。4年になっていた僕はおおっぴらにオーケストラでアルバイトが出来た。

ちなみに2年生の時だったか・・・当時、大橋巨泉さんがやっていたテレビ番組で「イレブンPM」というのがあったが、これに友人の増尾(ギター奏者)君から「一緒に出演しないか?」と頼まれた僕は、番組に出ているバニーガールや裸のお姉さんを観たさに引き受け・・・学校にバレないようにサングラスをかけ、ボサノバを演奏した。
これは楽しかった・・・ハハハ・・・・。(先生にはバレなかったが、友人にはバレた!)

さて本業のクラシック・・憧れのオーケストラの仕事だから断るわけにはいかない。
覚悟を決めて引き受けた。
仕事の当日、燕尾服を持っていない僕は黒服を着こみ、初見の譜面を必死で吹いた記憶がある。
そんな風だから、指揮者は見たが、バレエを見て吹く余裕なんてものは無かった。

それから20年後、僕はニューヨークに6ヶ月間滞在した時、リンカーンセンターにオペラ劇場があるのだが、渡米した時は、オペラやバレエなんてものは全然興味が無かった。(日本でオーケストラの仕事をしていた時はあまりやった事がなかったのだ。)

NYに住んでいる友人から、「一回で良いからオペラやバレエを観てみたら?」・・と誘われ、丁度暇だったその日にリンカーンセンターに行って当日の切符を買ってみた。
恥ずかしい話だが、演目も解らずなんでも良いから買ってしまった。

忘れもしない、一枚19ドル(2200円くらいだったか・・)の切符だった。
行ってみて解ったが演目はワーグナーの「パルシファル」。
6時に始って終わったのが12時を過ぎていたか・・6時間の大作・・僕は初めての経験でびっくりした。

もっとビックリしたのは、歌声を聴いていたらナント・・ドミンゴが歌っている・・ジェッシー・ノーマンが歌っている・・しかもジェームス・ルバイン率いるオーケストラだ。
僕は彼の率いるオーケストラの緻密さはNYフィルより素晴らしいと思った!
それに舞台装置、演出・・・日本で僕が経験したオペラとは大違いで大変に豪華だった。
物語の筋書きも言葉も何も解らないのに、6時間飽きずに見入ってしまった。
もう一回言うが切符は19ドルだった。
あまりの素晴らしさに僕は大感激。
さっそく翌日にまだ見ていない演目全ての切符を買ってしまった。

さてNYのリンカーンセンターではオペラシーズンが終わると、バレエになる。
これも僕は一回観て虜になってしまった。
これも殆どの演目を見た記憶がある。・・・で、当然「白鳥の湖」も初めて客席から観たわけだが、その時のバレエ団は、イギリスのロイヤルバレエだった。
テクニックでは本当に素晴らしいNYのバレエを見尽くしていた僕は、ヨーロッパのバレエを観て、あまりの品の良さと深さに大感激したものだった!
ちなみに長男の貴詠君(当時高校生)と娘・果林ちゃん(当時小学生)は二人してグーグー寝入っていた。(笑)

さて、あれから20年・・大人になった果林とカミサンそれに近所の娘さんと僕の4人連れで、有楽町は東京国際フォーラムでの公演は本場レニングラード国立バレエ団だ。
同行したオーケストラもナカナ良かった。アンサンブルも良かったがロシア物はお手の物といった感じ・・・
チャイコフスキーの音楽は本当にポップスです。ブラボー!!!
やはり本場のバレエは素晴らしかった。
ソロは勿論、4羽の白鳥も息がピッタリあっていたし、何よりソロではない人たちも隅々まで本当に素晴らしかった。ブラボー!!!
バレリーナの動きが実際より遅くしなやかに動くように感じたのは僕だけだったのかな??まるで関節が無いみたい・・・イヤー参った!!


勿論・・今日の果林は寝てませんでした!!