村松フルートの2代目社長・村松治氏逝く!!

先日村松治氏のお別れ会があり、出席させて頂いた。ヴォルフガング・シュルツさんやジェームス・ゴールウェイさんの追悼演奏と弔辞のヴィデオもあり、村松レッスンセンターの先生方も参加しての追悼演奏もあり厳かに行われた。

僕が中学1年の時、始めて両親に買って頂いたフルートは、今はもう存在しない「日本管楽器」という会社のもので、その後、僕はプロになろうと決心した中学3年になって、念願の村松フルート(頭部管が銀製)を買ってもらった。
この楽器は村松フルートの創始者である村松孝一氏の作品だと思われるが当時としては、作りも良いし本当に鳴りの良い楽器だった。その初代・孝一氏は数年後、亡くなってしまうのだが、2代目の治氏は18才の若さで、村松フルートの後継者になったという。

その当時といえば、僕はアメリカのヘインズ製やパウエル製のリングキイ(キイに穴が開いている楽器で、その当時、日本のメーカーのフルートには無かった)の楽器がのどから手が出るほど欲しくて、親が「芸大の附属高校に入ったら買ってやる。」…といった言葉を励みに必死で練習したものだ。
2代目の治さんは「会社を大きくするより、フルートに親しむ人を増やしたい」という理念のもと、村松楽器販売株式会社を作り、フルートに関するもの全て、楽器は勿論、譜面、レコード、レッスンセンターと次々と手掛け、現在は見事に、日本におけるフルート人口も増え、村松フルートさんは日本のフルート産業の発展に寄与し続けてきた。本当に頭が下がる。
それに、シェアを競う他のフルートメーカーの  三響、アルタス、古田土フルートさん…も村松楽器の出身である。確実に日本のフルート業界のトップを走り続けてきた存在だ。

そんな治氏はとても気さくな方で、30年ほど前であろうか、野口龍先生と僕で、軽井沢…?だったか…別荘へ伺った時、気軽に食事を作ってくれ、ニコニコしながら僕らが食べるのを見ていたのをはっきり覚えている。

日本のフルート界に数々の貢献した治さん…お疲れ様でした。本当に本当に感謝です!!(合掌)

三代目村松フルート社長・村松明夫さん健闘を祈ります!!