ピアニスト鈴木良雄チンサン&ドラム小西勝君のトリオを聴いて…

鈴木良雄(チンサン)といえば、大活躍でバリバリのベース奏者。そのチンサンは何を隠そう早稲田大学のジャズ研ではピアニストだった。当時は、今アメリカ在住でギターの増尾よしあき君、1〜2年下に、これも大活躍のタモリさんや、マイルス・デヴィスみたいだった吉田さんがトランペットを吹いていた。サックスは現在新宿にあるジャズクラブ”J”のマスターである幸田さんとベースは高橋直さん……実に早稲田のジャズ研究会は人材が豊富であった。
芸大には伝統的にジャズ研なんてものは無く、僕は芸大のフルート科に行っていたのだが、同級生に作曲の加古隆くんがピアノを担当、一年上にクラシックの方で有望視されていたドラムの森山威男さん、それにフルートではなく、アルト・サックスの僕しかいなかった。
…で、早稲田からベースの高橋君をトレードしてもらって、芸大の打楽器の部屋で4人でよく練習したものだ。
そのうち、加古君がフランスへ留学。森山さんは山下洋輔トリオにひっぱられ、僕は一人になってしまう。仕方なく僕は早稲田のジャズ研へ出稽古に押しかけ、彼らの胸を借りてアドリブの練習をした。

今となっては本当に懐かしく、その頃、僕はウェスト・コーストジャズに傾倒していたが、特に鈴木チンサンには「中川君、ジャズはイースト・コーストの方が音楽が深い・・・」等と、説教をされた記憶がある。

…と長くなってしまったが、その鈴木チン良雄さんがベースではなくピアニストとして、ドラムが小西君でトリオをくみ、青山のジャズクラブでライブがあったので、久し振りに彼らを聴きに行ってみた。

相変わらず、早大トリオ健在…といった所だった。いつものベースではなくピアノの前に座ったチンサン、多少緊張気味(笑)。でも、小西君共々、始まれば楽しく楽しく弾きまくり、曲はブルーボッサ、マイファニー・ヴァレンタイン、バイバイ・ブラック・バード、イパネマの娘など、懐かしのメロディーばかりで聴いているお客さんはハッピイーそのものであった。
又、このトリオをやってね!!