芸大を卒業後、中村誠一君に選んでもらいセルマーのテナーサックスを購入‼️

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僕がジャズに興味を持った時からテナーサックスの達人ソニーロリンズの存在感は凄かった!

芸大を卒業するとアルトだけで無くテナーサックスが吹きたくなり、東京交響楽団の地方まわりのエキストラやスタジオの仕事をして貯めた小遣いを持って、僕は石森楽器へ同学年の中村誠一君に頼んで一緒に行ってもらい、何本かのセルマーのテナーの中かから良いテナーサックスを選んでもらった。

早速…高校の時に人生で初めてコピーしたロリンズのアドリブソロの譜面を吹いたりして遊んでいたのだが、この時、世の中……テナーを始める人達は大体コルトレーンへ興味を持っていた中で、僕はソニー・ロリンズとかスタン・ゲッツが大好きでよく聴いていた。勿論コルトレーンが嫌いでは無く、「バラード」や「コルトレーン&ジョニー・ハートマン」は大好きだったのですが………

 

当時、僕はフルートで現代音楽の世界に飛び込んで「フルートとパーカッションの為のエクローグ」(Teruyuki Noda)を吉原すみれ嬢のパーカッションと僕のフルートでダイレクトカッティングのレコーディングしたりしていた。実は僕の人生で初めてのレコーディングは現代音楽だったのです。

カメラータ・トウキョウから「吉原すみれ/エクローグ&チクルス」としてリリースされたのだが、今は違うアルバムになって残っているようです。

その頃僕は武満徹さんの「ミュージック・トゥデイ」や「現音展」等で現代音楽とオーケストラプレイに没頭していた。その後、僕はジャズフルートを始めるまで、現代音楽のグループ「ヴァン・ドリアン」をハープの木村茉莉さんやパーカッションの吉原すみれさん達と10年以上組んでコンサートシリーズをかさねていた。この頃に録音したアルバムも「フルート・ミュージック・トゥデイ/中川昌巳」として残っている。

 

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現代音楽やフリーミュージックの世界に飛び込む。

その傍………ジャズピアニストの市川秀雄トリオにテナーサックスを携えて乱入し、そのままジャズのイロハを知りたくて市川さんのバンドで5年間研鑽を積む事になるのです。

その前にも、佐藤允彦&冨樫雅彦&中川昌三による「CPU」や、冨樫雅彦さんのフリーミュージックのトリオやカルテットにも、アルトサックス&フルートで数年間参加………又、大野雄二さんの「大野雄二&エクスプロージョン・バンド」にもアルトサックス&フルートで数年間参加させて頂いた。この時期は今になって思うと、テナーサックスを始めた事もあって、僕自身の為に、本当に様々なスタイルのジャズの勉強になっていたと思う。

 

その頃の一週間のスケジュールは、月曜、水曜、木曜日の午前中はクラシックのオーケストラでフルート&ピッコロを吹いて、午後は八王子にある東京純心女子大学のフルート科でクラシックを教えたり、現代音楽音楽や室内楽のリハーサルをやったり、そして夜はジャズクラブでアルトやテナーサックスを吹く………

 

……とは言っても、現代音楽やジャズクラブは殆ど持ち出しで赤字、オーケストラやフルートの講師の給料だけでは生活できないので……大野雄二さんの作曲のアニメの音楽「ルパン三世」や映画音楽の「犬神家の一族」「人間の証明」等で、スタジオミュージシャンをして稼がして頂く………という生活をしていた。実は僕の家族は大野雄二さんに食わせて頂いて貰っていたと言っても過言ではないのです。実際、大野雄二さんには足を向いて寝られないのです。

 (笑)

それにしても何と充実した20歳代、30代の生活だったか………

クラシックや現代音楽の練習をし終えた後、サックスを吹くのは気持ち良いのだが、アルトよりテナーサックスの方がデカイ音がして何ともスカッとした爽快感がたまらなかった‼️

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豪快に吹きまくるロリンズのアルバム