芸大附属音楽高校の同級生・大谷和夫君が亡くなった。

大谷和夫君は「火曜サスペンス」の作曲家として知られているし・・・
「ショーグン」というロック・バンドの中心的メンバーだった。
最近、「ショーグン」は又、再結成して、ライブを重ねていたようです。

だから、ラジオ・テレビを観ている皆さんは何処かで彼の音楽を聴いている筈なのです。

46年前、彼は僕が入学した芸高の同級生で、ナント・・当時は打楽器科でした。
ある時、彼がピアノに座って、譜面に書いてない音楽を奏でていました。
その時、僕は彼が何を演奏しているのかチンプンカンプンでしたが、ピアノの演奏が本当に上手いというのは・・よ〜く判りました。
その演奏が、僕が初めて聴いたアドリブ演奏だったのです。

その後、僕は彼が即興演奏している事を知って以来、
彼の大ファンになってしまいました。

そのうちに、ジャズフルートの人気者ハービー・マンが
演奏する「モーニン」のアドリブを、僕のために、彼はコピーして
譜面に起こしてきてくれたのです。
その時は本当に感激し・・・ビックリしたものです。
何故って・・その譜面は16分音符でギッシリと埋まっていました。
きっと、時間をかけてコピーしてきてくれたのだ・・と思いました。
本当に有難かった・・・。

それからというもの、僕はジャズという即興音楽にドド〜っと、のめり込む。
こうして今、僕がジャズプレイヤーでいられるのは取りも直さず彼のお陰なのです!

だが、芸高の3年生に進級する時、彼は突然学校からいなくなってしまいました。
後から知ったのですが、当時の芸大の校則で、学生が音楽のアルバイトをすると退学だったのです。
今考えると・・凄〜く変な話ですよね!

だって、音楽で食っていこうとする学生が音楽でアルバイトをした事を学校側に見つかると退学っていうのは・・理不尽すぎますよね・・。
音楽でアルバイト出来るというのは優秀な学生という証拠なのに・・・。

結局、彼と再会したのは、20年も経ってから「火曜サスペンス」の音楽録りの仕事だった。
彼は打楽器を卒業、立派な名アレンジャー&コンポーザー&ピアニストになっていた。
その時、彼は「お〜元気かよ〜、お前・・テナーも吹くのかよ」・・ってニコニコした笑顔で僕に言ったのを今でも忘れない。

彼は彼の奥様と会話中に、そのままス〜っと、息を引き取ったそうです。
本当に才能のあるミュージシャンがいなくなってしまい本当に残念でなりません!
ご冥福を祈ります。本当に有難うございました。(合掌)