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サド・メルやクインシー・ジョーンズ 等のビックバンドのリードアルトは勿論、編成の大きいバンドのレコーディングセッションには様々な楽器でジェローム ・リチャードソンが登場する
まだ卒業したての頃、僕は友人に誘われてパーシー・フェイス ・オーケストラの一員で来日していたリード・アルト奏者のジェローム ・リチャードソンさんに会いに彼の泊まっているホテルに行った。ナント……その時、彼は「ダフニスとクロエ」のフルートソロを復習っていたのにはビックリしたものだ。
(ジェローム ・リチャードソンと言えば、チョット人数が多いセッションのレコーディングの時は必ず様々な楽器で入っていた。マルチサックスはもちろんマルチフルート、バスクラリネット など……)
きっと日々自分の技術が落ちないようにクラシックも訓練されているのだなあと感心した。
彼の隣の部屋にはサードアルトの名前も知らない方がいらっしゃって、ソプラノサックスを練習していた。これが聴いたことのない とんでもなく良い音だった。しかもこの方はオーボエ もバスーン もこなす、マルチリード奏者との事。ジェローム さんが「何でもこなしてしまう素晴らしいミュージシャンだ‼️」……と紹介して下さった。
アメリ カという国はマイルス・デヴィスやコルトレーン のような偉大な言わばアーティストミュージシャンも多々いらっしゃるが、
このパーシー・フェイス ・オーケストラのサード・アルトの方ような、リード楽器なら作編曲家の要求に何でも答えて吹いてしまう 言わば職人的な能力に長けた素晴らしい方も多々いらっしゃる。
又人気アーティスト 奏者をやっていても 要求されれば何でもスタジオミュージシャン として自分流に演奏してしまうバッド・シャンクみたいな人気者の方も多々いらっしゃいます。
どのタイプの音楽家 も 素晴らしく才能があれば認めてくれるのが当時のアメリ カの音楽シーンだったと思う。
そのような事を知るきっかけになったのは、
バーン・シュタイン作曲の「ウェスト サイド・ストーリー」のミュージカルを知る方は多いと思いますが、ジョージ・チャキリスさん達が来日、公演を敢行したのですが、アメリ カのミュージシャン達が吹く譜面をそのまま日本に持ってきて日本のミュージシャンで公演をした事があったそうです。
要は あちらでは予算を抑える為だと思うのだが、少ないミュージシャンで公演をする為、持ち替えが多々あったとの事。
一番凄かったのがバスサックスの数小節後に持ち替えでピッコロが書いてあったとか……
成る程、そこにピッコロだろうがオーボエ が、出てきても、きっと例のパーシー・フェイス のサードアルトのおじさんは吹いてしまうのだろうな………と、ふと思いました。
日本公演ではそんな持ち替えを出来るようなプレイヤーは日本にいなかったと思いますから、その分、分業してミュージシャンが大分増えてしまったそうですよ!
アメリ カの有名なトップアーティストのミュージシャンは確かに素晴らしいのだが、名もないスタジオミュージシャン の中にはもっと凄い人がいるかも知れない?………そんな人はトップミュージシャンの真似するのもきっと上手い筈だと思うし…………きっと本物より上手いかもネ‼️
ところで 先日、歌謡界で有名な作曲家 筒美京平 さんが亡くなったとか……
彼は「自分はアーティストではなく職業音楽家 だ‼️」……と公然とおっしゃっておられたとか。
「歌手の為に売れる曲を作るのが僕の仕事だ。」……とも。要は黒子に徹しているとの事。
それでいて彼はポップスとか流行歌は嫌いだったとか。
それで流行歌を ン〜〜千曲も作ってしまった筒美さんは本当に凄い方だったんだ‼️
でも彼はその時期その時期の流行を察知してしっかり勉強していたのでしょうね。
(僕も若い頃、フルート奏者としてご一緒した事があった)
僕の友人のサックスの苫米地義久君は筒美京平 さん(ピアノ担当)とバンドをやっていたとか………
凄い……を通り越して
ものすげ〜カッコイイ‼️